測定項目
Web Benchは8つのカテゴリと数十の詳細テストで、端末がブラウザ内でどのように動くかを調べます。以下で、各カテゴリが何を測るのか、日常のどんな体感につながるのか、数値が高いほど良いのか低いほど良いのかを確認してください。端末やブラウザが対応していない項目は自動的に除外され、すべての値は環境によって変わる参考値です。
CPUシングル
CPUシングルは、1つのコアでテキスト処理、JSONパース、圧縮、ハッシュ、画像処理、ソート、経路探索、物理シミュレーション、レイトレーシング、線形代数といった実際の作業をどれだけ速く終えられるかを測る項目です。Webページの読み込み、アプリの反応速度、1つの処理を順に進めるプログラムの体感は、おおむねこの値に近くなります。単位は1秒あたりの処理数なので、高いほど同じ時間でより多くの作業をこなしたことを意味します。AES-GCMやDeflateのようにブラウザAPIが必要な項目は、非対応の場合は除外され、残りの項目だけで計算します。
- テキスト処理 · シングル
- トークン化と正規表現検索・置換
- JSON · シングル
- 大きな文書の解析・直列化
- LZ圧縮 · シングル
- 独自LZ圧縮・展開
- SHA-256 · シングル
- JavaScriptハッシュ処理量
- 画像処理 · シングル
- ガウシアンぼかし・拡縮・色変換
- ソート・データ構造 · シングル
- ソート・ハッシュマップ・優先度キュー
- A*経路探索 · シングル
- 障害物のある格子の最短経路
- 物理シミュレーション · シングル
- n体重力・弾性衝突
- CPUレイトレーシング · シングル
- 球体シーンの描画
- 線形代数 · シングル
- 行列積・部分ピボットLU分解
- 大きな整数 · シングル
- BigInt乗算・64ビット素数判定
- 文書解析 · シングル
- マークアップのトークン化・木構築
- AES-GCM · シングル
- SubtleCrypto暗号化・復号
- Deflate · シングル
- CompressionStream圧縮・展開
CPUマルチ
CPUマルチは、同じ種類の作業を複数のWorkerに分けて実行し、コアを同時に使ったときのスループットを測る項目です。動画のエンコード、大容量ファイルの処理、複数のタブやアプリを同時に使う場面で体感の差が表れます。単位は1秒あたりの処理数で、高いほど良い値です。ただしブラウザが使うWorker数や同期方式の影響を受けるため、物理コア数だけで解釈しないでください。暗号化や圧縮のAPIが使えない環境では、該当項目は除外されます。
- テキスト処理 · マルチ
- トークン化と正規表現検索・置換
- JSON · マルチ
- 大きな文書の解析・直列化
- LZ圧縮 · マルチ
- 独自LZ圧縮・展開
- SHA-256 · マルチ
- JavaScriptハッシュ処理量
- 画像処理 · マルチ
- ガウシアンぼかし・拡縮・色変換
- ソート・データ構造 · マルチ
- ソート・ハッシュマップ・優先度キュー
- A*経路探索 · マルチ
- 障害物のある格子の最短経路
- 物理シミュレーション · マルチ
- n体重力・弾性衝突
- CPUレイトレーシング · マルチ
- 球体シーンの描画
- 線形代数 · マルチ
- 行列積・部分ピボットLU分解
- 大きな整数 · マルチ
- BigInt乗算・64ビット素数判定
- 文書解析 · マルチ
- マークアップのトークン化・木構築
- AES-GCM · マルチ
- SubtleCrypto暗号化・復号
- Deflate · マルチ
- CompressionStream圧縮・展開
メモリ
メモリは、連続した16 MBの領域を読み書き・コピーするスループットと、データをランダムにたどってアクセスするときのレイテンシ(遅延)をあわせて調べます。大きな画像や動画の編集、多数のタブを開いた状態、ゲームの読み込みなど、データを大量に動かす作業の体感につながります。スループットはGB/s単位で高いほど良く、ランダムアクセスの遅延はns単位で低いほど良い値です。アクセスサイズを変えながら測るため、キャッシュ階層で速度が変わる境目も推測できます。
- 連続読み込み
- 16 MB連続メモリ処理量
- 連続書き込み
- 16 MB連続メモリ処理量
- 連続コピー
- 16 MB連続メモリ処理量
- ランダムアクセス・16 KB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
- ランダムアクセス・64 KB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
- ランダムアクセス・256 KB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
- ランダムアクセス・1 MB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
- ランダムアクセス・4 MB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
- ランダムアクセス・16 MB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
- ランダムアクセス・64 MB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
- ランダムアクセス・256 MB
- ポインター追跡によるキャッシュ階層遅延
GPU描画
GPUグラフィックスは、画面に表示されない場所で大量の三角形、131,072個のパーティクル、ブルームとブラーの後処理を描画し、平均FPSを測る項目です。Webゲーム、3Dマップ、視覚効果の多いページがどれだけなめらかに動くかに関係します。単位はFPSで、高いほど良い値です。WebGPUが使えない場合はWebGL2の経路で代わりに実行されることがあり、どちらも使えない場合はこのカテゴリは除外されます。
- 大量の三角形
- オフスクリーン描画・平均FPS
- 131,072個のパーティクル
- オフスクリーン描画・平均FPS
- ブルーム・ぼかし後処理
- オフスクリーン描画・平均FPS
GPU計算
GPU演算は、グラフィックスではなく計算をGPUに任せたときの速度を調べます。f32・f16の行列積、画像コンボリューション、パーティクルシミュレーション、並列合計を実行し、結果バッファが正しいかも検証します。ブラウザ内の動画処理やAI推論のような、並列計算の多い作業にもっとも近い項目です。行列積はGFLOPS、その他は1秒あたりの処理要素数で表示し、すべて高いほど良い値です。WebGPUやshader-f16機能がない場合、該当項目は除外されます。
- 行列積f32
- WebGPU計算・出力バッファ検証
- 行列積f16
- WebGPU計算・出力バッファ検証
- 画像畳み込み
- WebGPU計算・出力バッファ検証
- パーティクルシミュレーション
- WebGPU計算・出力バッファ検証
- 並列和(reduction)
- WebGPU計算・出力バッファ検証
ブラウザー
ブラウザカテゴリは、DOM操作とレイアウト、Canvas 2D描画、画面のリフレッシュレートとフレームの一貫性を測る項目です。複雑なWebアプリを開いたときの反応や、スクロールとアニメーションのなめらかさといった日常の体感に直結します。DOMとCanvasは1秒あたりの処理数で高いほど良く、フレーム間隔はms単位で低いほど良い値です。この項目はハードウェアだけでなくブラウザエンジンや画面設定の影響も大きいため、同じブラウザ同士で比較してください。
- DOM操作・レイアウト
- 仮想リスト作成・更新とレイアウト確定
- Canvas 2D
- パス・図形・文字の描画
- リフレッシュレート・フレーム安定性
- requestAnimationFrame間隔・周波数とp95偏差
ストレージ
ストレージは、ブラウザが提供するOPFSに一時ファイルを作成し、シーケンシャル書き込み・シーケンシャル読み取り・ランダム書き込み・ランダム読み取りの速度を測り、終わったらファイルを削除します。大きなファイルのダウンロードやオフラインアプリのデータ読み込みの体感に関係します。単位はMB/sで、高いほど良い値です。ブラウザがOPFSに対応していない、またはプライベートモードなどで制限されている場合、このカテゴリは除外されます。
- 連続書き込み
- OPFS一時ファイル入出力・完了後削除
- 連続読み込み
- OPFS一時ファイル入出力・完了後削除
- ランダム書き込み
- OPFS一時ファイル入出力・完了後削除
- ランダム読み込み
- OPFS一時ファイル入出力・完了後削除
AI推論(任意)
AI推論は任意の項目で、モデルのダウンロードに同意した場合にのみ実行します。固定のテスト文と画像を入力して、ブラウザ内でテキスト生成や画像モデルがどれだけ速く動くかを測り、個人のファイルは使用しません。オンデバイスAI機能の快適さを見極める参考指標で、処理速度は高いほど良い値です。同意しない場合は実行せず、総合スコアの計算からも除外します。WebGPUが使えない場合はWASMの経路で代わりに実行され、その旨を別に表示します。
- 最初のトークン時間
- generate呼び出しから最初のトークンまで・トークン化除外
- プロンプト処理
- 入力トークン数 / 最初のforward時間・トークン化とサンプリング除外
- テキスト生成
- greedy 128トークン・最初以降127トークンの処理量
- 画像1枚の分類
- 固定224×224 RGB画像・前処理除外・MobileNetV4 fp32