ブラウザでGPU性能をテストする
GPUはグラフィックスを描く装置であると同時に、多くの計算を並列に処理する装置でもあります。ブラウザ内の3Dシーン、地図、映像エフェクト、写真編集、一部のAI機能は、いずれもGPUの助けを受けています。Web Benchはこれをグラフィックスと演算の2つに分けて調べます。グラフィックス側では、画面に表示されない場所で大量の三角形、131,072個のパーティクル、ブルームとブラーの後処理を描画し、平均FPSを測ります。演算側では、行列積、画像コンボリューション、パーティクルシミュレーション、並列合計を実行し、結果バッファが正しいかも検証します。画面に表示しないため、モニターのリフレッシュレートに制限されず、GPUがこなした作業量を比較しやすくなります。対応範囲はブラウザ、OS、ドライバーの組み合わせによって変わり続けるので、まず現在の環境で何が実行できるかを確認することが出発点です。同じ端末でもブラウザを変えるとGPUの経路が変わることがあるため、比較するときはどのブラウザでどの経路を使ったかを控えておくと、後で結果を解釈しやすくなります。
GPU項目はWebGPUを優先して使い、使えない場合はグラフィックスに限ってWebGL2の経路で代わりに実行します。演算項目にはWebGPUが必要で、f16の行列積はshader-f16機能に対応しているときだけ実行されます。そのため、同じ名前のGPUでも、ブラウザやドライバーによって実行される項目が変わることがあります。非対応の項目はエラーではなく除外として扱い、除外の理由を結果画面に表示します。比較するときは、まず2つの結果のグラフィックス経路が同じかどうかを確認してください。WebGPUとWebGL2の結果を同じ行に並べて優劣をつけると、誤解を招きやすくなります。WebGPUがオフになっている場合は、WebGPUの有効化ガイドを参照してください。結果画面で除外理由を確認すれば、どの機能が足りなくて項目が抜けたのかがわかり、それが問題を解決する手がかりにもなります。
GPUの測定は熱の影響を大きく受けます。短い測定では高い値が出ても、負荷が長く続くと下がる端末は少なくありません。この違いを見たいときは、ストレステストでGPU負荷を5分または10分実行し、スコアがどう変化するかを確認してください。ノートPCは、電源接続の有無や電源モードによってGPUの電力上限も変わります。測定前にグラフィックスドライバーとブラウザを更新し、ハードウェアアクセラレーションがオンになっているか確認すれば、不要なばらつきを減らせます。数値は環境によって変わる参考値なので、同じ端末で設定を変える前後を比較する用途にいちばん役立ちます。ストレステストで得られる曲線は、端末の冷却条件を推測する参考資料にすぎず、センサーの温度を直接読み取った値ではないことも覚えておいてください。最初はクイック測定で代表的な項目だけを確認し、必要に応じて標準測定へ広げていく順番をおすすめします。
測定開始 ↗